はじめに
第67回美学会全国大会が、2016年10月8日(土)・9日(日)に、同志社大学で開かれました。その際、本発表とは別に、美学会と当番校の共催企画として、美学会で初めて発表する研究者のための「若手研究者フォーラム」が開催されました。以下は、発表者の任意による投稿のなかから、ある程度の水準に達しているものを論文として掲載した報告集です。若干の字句の修正や書式統一のための処理を行った部分もありますが、原則的には、発表者から送られてきた原稿を、ほぼそのまま掲載しました。「若手」研究としての性格上、多少の不備があるかもしれません。その点につきましては、各発表者による研究の進展を待つことにして、ここでは発表時の原形を伝えることを第一の目的としました。「若手」らしい、新鮮な着眼点や問題意識、鋭敏な直感や大胆に越境する想像力などを感じ取っていただければ幸いです。
美学会「若手研究者フォーラム」委員会
委員長 永井隆則
目次(個別PDFのダウンロード)
タイトルをクリックすると、発表者ごとの「報告論文」(PDF形式)を閲覧できます。
G・F・ワッツの〈顔の表情を隠す〉表現
岡田実沙子
アルフォンス・ムハ「スラヴ叙事詩」における写真の役割
中村有里
クールベの画業における地方展覧会の位置付け
——サント市絵画版画彫刻展(1863)に関する一考察——
高野詩織
フランチェスコ・アルカンジェリ『ジョルジョ・モランディ』についての一考察
——モランディの「検閲」による削除箇所の検討から
遠藤太良
バルテュス作品における少女イメージ
——絵画作品とポラロイド写真から——
齋木優城
ベトナム人画家ナムソンの美術論
——『中国画』への一考察——
二村淳子
小津安二郎映画をめぐる西洋からの批評における問題点
——「無人のショット」を中心に——
具 慧原
デイヴィッド・ボードウェルの映画理論
——80年代の著作における「規範」概念の検討
住本賢一
痕跡としての襞
——G・G・ド・クレランボーの写真と衣服論に関する研究——
安齋詩歩子
グスタフ・マーラーの交響曲における空間性
——現象学的空間についての考察——
曹 有敬
草間彌生の「言語芸術の世界」
——美術と文学におけるモチーフの比較——
Pawel Pachciarek(パヴェウ・パフチャレク)
《ブロック・ボイス》におけるヴィトリーヌとその意味
——《アウシュヴィッツ・デモンストレーション》を中心に——
水野 俊
スローターダイクとアヴァンギャルド
——ショックの馴致化について
大村一真
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