• 日. 2月 23rd, 2025

美学会

The Japanese Society for Aesthetics

合評会 稲賀繁美『日本の近代思想を読みなおす3 美/藝術』(東京大学出版会)のお知らせ

2月 11, 2025

美学会会員の皆様

この度、下記のイベントを開催する運びとなりました。奮ってご参加ください。


近代美学と日本文化―「闘争の場」としての再読の可能性を探る
合評会:稲賀繁美『日本の近代思想を読みなおす3 美/藝術』東京大学出版会、2024年

日 時:2025年4月19日(土)14:00-16:00
場 所:東京大学駒場Iキャンパス18号館4階コラボレーションルーム1
登壇者:稲賀繁美/今橋映子/三原芳秋
司 会:松井裕美

内 容:本合評会の目的は、稲賀繁美『日本の近代思想を読みなおす3 美/藝術』をめぐり、著者と2人の登壇者を迎え、いかなる視座から今日、近代日本の「藝術」やその思想を語り得るのか検討することである。稲賀が本書の序章において述べるように、「art」が日本で「美術」や「藝術」に翻訳されるとき、原語とのあいだに必然的に生じる意味関連や連想が、「別種の磁場へと変貌を遂げる」。近代日本で生じたこの「別種の磁場」こそ、「美術」や「美学」は西洋近代の産物でありながら、日本の「藝術」や「美学」は西洋近代の埒外にあるものであるとする、一種の捩れの要因ともなり得た。他方では非西欧の「art」を西洋の近代的な文脈で紹介しようとすれば、これら近代日本特有の「磁場」は容易に捨象されてしまう。しかし今日でもこの磁場は完全に消滅することはなく、ある種の闘争の場として、さまざまなかたちをとりながら繰り返し私たちの前に立ち現れる。本書の取り組みは、近代以降の日本で生じたこの磁場の複数の起源と展開の場を探りつつ、いたずらにその「磁力」を助長したり歪曲したりすることを避けながら、この近代日本の「闘争の場」を再訪しようとするものである。本合評会では、その今日的意義と将来的な課題について、著者・登壇者および来場者とともに検討する。

主 催:東大比較文學會
後 援:美学会
予 算:国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))22K0002(代表:寺田寅彦)
フライヤー:http://fusehime.c.u-tokyo.ac.jp/symposium/sympo/inaga_review2025/kindaibigaku.pdf